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SANZOKUさん
投稿者:GANBA-SETA 投稿日:2015/01/22(木) 22:00:05 No.5323 [返信]
有難うございます。
ズバリの良い資料が見つかりましたね。 大変参考になります。
当方も調べましたが、解説的な資料しか見つかりませんでした。
やはり、検索はYAHOOよりgoogleですね。
日米欧ガイドライン比較
投稿者: 投稿日:2015/01/22(木) 19:58:35 Home No.5322 [返信]
論文を検索している過程で、EAU Guidelines on Prostate Cancer. Part 1: Screening, Diagnosis, and Treatment of Clinically Localised Disease及びEAU Guidelines on Prostate Cancer. Part II: Treatment of Advanced, Relapsing, and Castration-Resistant Prostate Cancerをみつけました。ただし1は2013年改訂版がでていますが、有料なので、確認できていません。Part 1を少し読んでみました。

小線源治療に関して少し比較してみます。
小線源治療に関してはPart 1のP.7のTable 4 の(b)に次のように書かれています。

Transperineal interstitial brachytherapy with permanent implants is an option for patients with cT1-T2a, Gleason score < 7, PSA 10 ng/ml,prostate volume 50 ml, without a previous TURP and with a good IPSS.


ただし、1、2とも要約なので、European Association of Urology (EAU) - Guidelines - Online GuidelinesよりGuidelines on Prostate Cancerをダウンロードしました。

P.79にIPSSに関して値が
"An International Prostatic Symptom Score (IPSS) < 12"
と書かれています。更にP.80に次のように書かれています。

In cases of intermediate or high-risk localized PCa, brachytherapy + supplemental external irradiation or neoadjuvant hormonal treatment may be considered.


NCCN Guidelines Version 2.2014のP.46にはこう書かれてます


単独療法としての密封小線源治療は低リスク群T2a、グリソングレード2~6、PSA値10ng/mL未満)で適応となる。中リスク患者では、密封小線源治療にネオアジュバントADTおよびEBRT(45Gy)またはEBRTのみを併用することができるが、その場合は合併症の発生率が高くなる。高リスク群の患者には密封小線源治療は不適であると一般には考えられている。

前立腺が非常に大きいまたは非常に小さい患者、下部尿路閉塞症状がみられる(国際前立腺症状スコアが高い)患者ならびにTURPの治療歴を有する患者は、密封小線源治療の理想的な候補とは言えない。

単独小線源治療の適応対象としてはヨーロッパも米国も変わりはない。高リスク群
に関して、NCCNではP.57に次のように書かれています。

高リスク群
望ましい治療法はRTと2~3年間のADTの併用であり(カテゴリー1)、ADT単独では不十分である。

EBRTと密封小線源治療の併用治療(場合により通常2または3年間のADTも追加する)もまた、初回治療における選択肢の1つである。しかしながら、この状況におけるADTの至適投与期間は依然として不明である。
...(続きを読む)
RE:試算の修正
投稿者:SANZOKU 投稿日:2015/01/22(木) 14:59:06 No.5321 [返信]
全く同じ表になりました。nの( )内の数字は再発が生じた月のサンプル数です。GANBA-SETAさんの引かれた年数の縦線を少しだけ右にずらして表を見てみました。

計算の仕方は以下を参照にしました。
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=4&ved=0CD8QFjAD&url=http://dr-urashima.jp/pdf/how-kapuran.pdf&ei=AkPAVMjzDaTUmgW9s4KgDQ&usg=AFQjCNGGC97VtoT7SeE0kZmZ9ri_0_HXgg&bvm=bv.83829542,d.dGY


年数  n    再発数   センサー数    再発率   非再発率   非再発生存率
0   43    0      0      0.000    1.000      1.000
1   41    0      2      0.000    1.000      0.976
2   39(42)1      1      0.024    0.976      0.976
3   31    0      8      0.024    0.976      0.945
4   25(31)1      5      0.055    0.945      0.907
5   22(25)1      2      0.093    0.907      0.907
6   17    0      5      0.093    0.907      0.907
7    7    0     10      0.093    0.907      0.907
癌の免疫療法の進歩について
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/22(木) 12:24:13 No.5320 [返信]
出典はこちら
http://www.sciencemag.org/content/342/6165/1432.full
訳文を見ながら、さらに要点を簡約化したものです。
直接、前立腺がんに関することは少ないと思いますが、ご参考まで。

サイエンス誌に選ばれた2013年の最も大きなニュースは、癌の免疫療法の発達であった。
近年様々な臨床試験が行われ、患者の寿命を延ばすことに成功した例がたくさん寄せられている。
免疫療法は、癌細胞そのものではなく免疫系をターゲットにするという意味で、これまでの癌治療法とはまったく違うものである。多くの現実に直面してきた腫瘍学者によると、彼らの研究はすでにコーナーを曲がっており、後戻りすることはないという。

1980年代の終わり、T細胞のブレーキとして働く受容体CTLA-4が発見され、Arison博士は1996年にサイエンス誌上で、この機能を阻害する抗体によってマウスの腫瘍が消えたことを発表した。
2010年にブリストル・マイヤーズ スクイブによって、通常6ヶ月ほどしか持たないと言われている末期の転移性メラノーマ患者の寿命が、アンチCTLA-4抗体によって平均10ヶ月へと延び、その約4分の1が2年以上生存しているという発表があった。

1990年代の初め、日本の生物学者によって、CTLA-4と同様にT細胞のブレーキとして働いているタンパク質PD-1が発見されたのを受け、ジョンズ・ホプキンス大のDrew Pardoll博士は、2008年までの臨床試験結果を収集し、もはや手遅れとみなされた5人の腫瘍が小さくなり、数人は予想外に寿命が延びたことを発表した。

しかし、これらの治療法が実際に体内でどのように働いているかを理解することは難しい。例えばアンチCTLA-4とアンチPD-1では、双方ともに癌が消える数ヶ月前に、一度大きくなることがあった。
事例によっては、抗体投与を止めた後も体の免疫系が働き続けていることがあり、このことは免疫系が根本的に変化したことを示している。また特にアンチCTLA-4では、副作用として結腸や脳下垂体などに炎症が起こることがあった。研究者はこれらの事例を今やっと理解し始めたところである。

NCIのRosenberg博士らは癌へと遊走したT細胞を実験室内で培養し、難しい予後を過ごす患者に再注入する手法を続けており、2010年に患者のT細胞に遺伝的な操作を加えるCAR療法についての研究成果を発表したが、その後ペンシルベニア大のCarl June博士らによって、白血病が消えたという目に見える結果が報告され、75人の白血病患者のうち45人は回復しているという発表がなされた。
この方法も抗体療法と同様、新たな癌治療法となることが期待されている。

大手の製薬会社ではアンチPD-1などの抗体開発が行われており、ブリストル・マイヤーズ スクイブの転移性メラノーマ治療薬であるIpilimumab(イピリムマブ)は2011年にFDAの承認を受けた。しかしその値段は12万ドルと高額である。

2012年と2013年初頭にはジョンズ・ホプキンス大学の Topalian博士やイェール大学のSznol博士らによって、約300人を対象としたアンチPD-1療法の結果が報告された。メラノーマ患者の31%、腎臓癌患者の29%、肺癌患者の17%は癌が半分以下の大きさへと縮まった。

2013年にはブリストル・マイヤーズ スクイブから、イピリムマブを投与された1800人のメラノーマ患者のうち22%が3年以上生存しているという、更に大きな成果が発表された。
イピリムマブと他のアンチPD-1抗体を組み合わせることで、約3分の1の患者に早く大きな効果があることも報告された。

末期がんの治療は難しいとはいえ、数年前には考えられなかったほどの希望が生まれつつある。
腫瘍学ではすでに新たな物語が始まっていることは間違いないが、それがどのように終わるのかはまだ誰にも分からない。

現在、米国ではイピリムマブが前立腺がんに効くかどうかの臨床試験が行われているようです。
...(続きを読む)
寡分割照射
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/21(水) 22:45:45 No.5319 [返信]
 眞さん
北大の例でも良い結果がでていますね。
寡分割照射というのは、効果で見れば理論的にもまったく問題ないと思うのですが、
やや不安に思うのは、副作用が大きくならないかということですね。
これさえ大丈夫なら、治療期間は短いほうが患者にとっては当然ありがたいわけですから、
寡分割照射への流れも、もっとスピードが付くと思うのですが、
今はまだ信頼できる医療機関が少ないと言う事でしょうね。
多分割照射でも安心できないところも多いので、現時点で寡分割照射を皆さんにお勧めすることは
一般的な話としては、まだ少し早いのではないかと思っています。
眞さんのように、個別に信頼できるところを見つけられれば一番良いと思いますが。

NCCNのガイドラインでは、このような考え方になっていますね。

1)2.4~4Gy/回(4~6週間)の画像誘導IMRTは、ランダム化試験で有効性と毒性が多分割照射と変わらないので、
  これを代替と考えても良い。

2)6Gy/回以上の画像誘導IMRTはまだ新しい治療法で、単一or多施設協働の報告では従来と変わらないようなので、
  技量の伴う施設であれば慎重に考慮しても良い。

2.4~4Gy/回 程度の分割照射でも、日本ではまだNCCNで言うところの 2)に準じた扱いが妥当ではないでしょうか。
山登りの感触で言えば、寡分割照射はまだせいぜい3~4合目あたりのような気がしています。
医学的統計について
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/21(水) 22:11:44 No.5318 [返信]
さすが工学系の方は、数字やグラフに執着されますね。
私も建築系ですが、どちらかと言えば工学よりはデザイン寄りだったので、とてもついていけません。(^^)>
途中、仮に示されるその時々の再発率などは、暫時再発率など別の呼び名で現わしたほうが判りやすいかも。
試算の修正
投稿者:GANBA-SETA 投稿日:2015/01/21(水) 17:41:38 No.5317 [返信]
SANZOKUさん

前回投稿の昭和大学病院の生化学的非再発生存率(5年)の元データの復元試算では、
どうも分母を取り間違っていたようです。 で、修正したものは次のようになりました。
91.1%と90.7%でまだ若干差ありますが、ほぼOKと思いますが。
センサー数は、
5年後までで 43-(22+3)=18、7年後までで 43-(7+3)=33 となりますね。
この表で、「再発率」は、生存時間解析では、「ハザード」と呼ばれる値であると思われます。
因みに、「センサー」とは、「観察打ち切り例」とか呼ばれているもので、
途中で意図的に観察を打ち切ったり、意図せず追跡不能になったものらしいです。


年数  n    再発数   センサー数    再発率   非再発率   非再発生存率
0   43    0      2      0.000    1.000      1.000
1   41    1      1      0.024    0.976      0.976
2   39    0      8      0.000    0.976      0.976
3   31    1      5      0.032    0.968      0.945
4   25    1      2      0.040    0.960      0.907
5   22    0      5      0.000    0.960      0.907
6   17    0     10      0.000    0.960      0.907
7    7    0             0.000    0.960      0.907

?

5317

北海道大学の清水先生の論文
投稿者: 投稿日:2015/01/21(水) 06:59:14 Home No.5316 [返信]
寡分割照射による治療を受けた患者として、以前、寡分割照射法で、Hypofractionated intensity-modulated radiotherapy (70 gy at 2.5 Gy per fraction) for localized prostate cancer: long-term outcomes.という論文を紹介しました。2014年の論文Early results of urethral dose reduction and small safety margin in intensity-modulated radiation therapy (IMRT) for localized prostate cancer using a real-time tumor-tracking radiotherapy (RTRT) systemFull textをみつけましたので、紹介します。

筆頭著者は北海道大学の清水伸一准教授であり、動体追跡放射線治療装置(Real-time tumor-tracking radiotherapy(RTRT)system)を使用しての2004年から2011年の前立腺がん患者110人の治療成績の報告です。70 Gy/30回の寡分割照射による治療です。

5年PSA非再発率
・低リスク 100%
・中間リスク 84.0%
・高リスク  79.6%

リスク分類はNCCN

今までの寡分割照射による治療の報告の論文に関する表Table 3が参考になりました。
上記の掲示板で紹介したKupelian氏の論文も含まれています。


Figure 2. を示します。

Overall bRFS (biological relapse-free survival) for all 110 prostate cancer patients.

SANZOKUさん
投稿者:GANBA-SETA 投稿日:2015/01/20(火) 22:35:09 No.5315 [返信]
昭和大学病院のデータの件

nの減少の件、フトヒラメキました。SANZOKUさんの見解が正しいと思います。
きっと2012年の投稿用に、このグラフを作成するときに、
時系列を逆に、直近から過去へ入力したため、n数が削減される度、
あたかも「センサー」が発生したかのよう、「ヒゲ」が付いたと思われますね。
いくらなんでも、43件の試料数で、これほど多くの「センサー」が発生する事は考えられませんからね。

時系列的にデータを打ち込めば、この「ヒゲ」は発生しないと思われますので、
意図的に、「ヒゲ」を付けておくことで、何月頃にデータとして取り込んだかが分かるように、
「ヒゲ」を付けたとも考えられますね。良く分かりません。

それと、5年後の非再発率91.1%の件ですが、当方も最初そう思いましたが、
ここで言っています「生化学的非再発生存率(5年)」とは、単なる非再発率ではなく、
当方が作成しました表のうち、生存関数に当たる「累積非再発率」89.3%が、
「生化学的非再発生存率(5年)」91.1%にあたると思います。

当方も良く分からないのが、このデータは、
2005年から2012年(メディカル朝日掲載2012.12月号)までのデータと思いますが、
「2年以上経過した43例」となれば、2003年に最初の7例が実施されたことになるので、
どう考えても、つじつまがあいませんね。 良く分かりません。

ということで、カプラン・マイヤーの生存曲線?のまとめとしましては、

① いずれにしましても、ひげの父さんの仰る通り、時系列通りにデータを積み重ねた場合、
   長期にわたるデータ程、追跡不能やその他の「センサー」が増えるため、信頼性が低下する。

② 長期のデータ程、再発や「センサー」発生で、分母が減少するため、
   同じ人数の再発数でも、計算上の再発率が大きくなり、
  非発生率を掛け合わせて計算される、「生化学的非再発生存率」のステップ・ダウンが大きくなる。
  で、長期部分のガックと落ち込む部分は、あまり気にしない。 と言うことになりますね。
...(続きを読む)
前立腺がんガイドブック-2
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/20(火) 20:33:39 No.5314 [返信]
「骨転移」についても、放射性アイソトープの項目の中で、
ラジウム223(ゾフィーゴ:未承認)について、書き加えておきました。
http://pros-can.net/01/01-5.html#103
山城の人さんへ
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/20(火) 18:19:41 No.5313 [返信]
雑誌 Prostate Journal の次号内容の紹介、ありがとうございます。
やはり興味のある内容が多いので、目を通さない訳には行きませんね。
今年もよろしくお願いします。
前立腺がんガイドブック
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/20(火) 18:16:17 No.5312 [返信]
「前立腺がんガイドブック」のホルモン療法に関する部分の内容が、
新薬の登場以来、だいぶ古くなってしまっていたので、以下のページに修正・加筆を加えました。
「内分泌(ホルモン)療法」 http://pros-can.net/01/01-3.html#501
「転移・再発(再燃)がん」 http://pros-can.net/01/01-4.html
もっときっちり、もっと詳しくとなれば、もう少し時間を掛けて見直す必要がありそうですが、
ほぼこれで、ホルモン療法の現状はご理解いただけるようになったと思います。

ついでに?
「海外癌医療情報リファレンス」というサイトがありますが、
NCIのページにある「臨床試験」という項目から、前立腺がん関係の記事をピックアップし、
「前立腺がん:MEMO」に集めてみました。

すでにご存じの内容が多いと思いますが、このようにしておくと、引用したい時にも楽になるかと。
http://higepapa.blogspot.jp/2015/01/nci.html
ひげの父さんへ
投稿者:山城の人 投稿日:2015/01/20(火) 14:59:04 No.5311 [返信]
ご無沙汰しています。本の紹介もままならないので(年金生活の為)、雑誌に変更しました。
GANBA-SETAさんご紹介の Prostate Journalは年2回発行で5000円です。次回の発行は4月です。
次回テーマは①前立腺がんにたいする放射線治療最前線
      ②PDE5阻害剤と前立腺肥大症
です。
小生は前立腺肥大症ですので、主にそちら関係の為、年間契約をしています。
①については、ここの掲示版で投稿されているかたの方が詳しいとおもいます
ただ、①-2で放射線治療後の再発にたいする対応というテーマがあります。
項目 1.放射線治療後の再発判定 画像診断と生検について
   2.放射線治療後のSalvage Implant
      3.放射線治療再発後の前立腺全摘術
   4.放射線治療再発後のホルモン治療 簡潔的ホルモン療法の有効性をふくめて
です。先生の御名前は省いています。
ひげの父さんならば、ご存じのかたばかりです。
最後に今年もよろしくお願いします。


GANBA-SETA さん
投稿者:SANZOKU 投稿日:2015/01/20(火) 14:06:07 No.5310 [返信]
よくこのような点に気付かれましたね。なかなか面白いところを突かれていると思います。私もGANBA-SETAさんの仰ることをつらつら考えてみましたが、真相は闇という感じで深貝先生にお伺いしなければ分からないという感想です。

ヒゲのようなものは他の病院のグラフにもある事がありますね。ただ、このグラフの説明に「放射線治療終了後、2年以上経過した43例をみると」という記述があるので、1年目2年目からnが減少しているのは不可解ですね。それにヒゲの数は全部で38ですから、グラフに記載されているnの数とどのように関わってくるのでしょう・・・。

5年後の非再発率91.1%は、再発者が2名であるとすると20÷22=90.9%とほとんど近い値になりますが、微妙な違いは何でしょうか?

nの減少のほとんどは、不明になったというより、施術後の年数が短い患者さんがデータからはじかれる結果だと思います。例えば施術後3年の患者さんは4年以上のデータに含めることができないので4年目のサンプル値から減じられるということです。

何か霧に包まれたようで釈然としません。
ひげの父さん、SANZOKUさん
投稿者:GANBA-SETA 投稿日:2015/01/19(月) 15:54:50 No.5309 [返信]
ひげの父さんの情報を元に、カプラン・マイヤー法について調べてみました。
なるほど工学系とは違ったデータの取り扱い方で、最初は取っつき難いですね。
人間が関わるデータは、不確定要素が多くて扱いずらい事が良く分かりました。

カプラン・マイヤー法のグラフを作成する場合の基本はザックリ次の通りです。
1.何らかの理由で試料数から削除しなければならない患者を「センサー」とする。
2.センサー(厳密には無情報センサー)の非再発率または再発率は、
  センサーとならない患者と同じ割合であると仮定する。(割と強引と思いますが。)

で、実際のデータ解析作業としては、このセンサーとなった患者数を、
元の患者数(n)から、どんどん削除して行くというものです。
従って、分母は、長期観察するほど、どんどん小さくなりますので、
分子が仮に1人で同じでも、長期観察部分の割合の落ち込みほど大きくなります。

と、言うことで、ひげの父さんが仰る通り、長期ののデータほど信頼性が落ちるため、
長期のデータはあまり気にしない方が良いということになりそうですね。
特にセンサーが多い場合は、仮定部分の人数がが多いということになりますので、
なおさら、信頼性は低くなるということですね。

実例としては、SANZOKUさんが投稿された昭和大学の深貝先生の次のデータが、
患者数が入っているので、ちょっと元データの再現を試みました。
グラフの横軸が月数となっていますので、グラフ内の表と合わせるために年数を青腺で入れました。

カプラン・マイヤー法なるものを、まだ完全に把握していませんので、
怪しげなところもありますので、先ずは、参考程度とお考えください。
尚、グラフ上に「ヒゲ」のようにチョンチョン(見難いですが)と付いているのが、
その時点で「センサー」が発生したことを示すようです。
取りあえずここでは、何らかの理由で追跡不可能になった患者を「センサー」と考えます。

で、試算しましたが、5年後の非再発は89.3%となり、91.1%と少し差がでました。
今のところ、この差はなぜ出たか不明ですが、ほぼニアリイコールです。
...(続きを読む)

5309

眞さん
投稿者:SANZOKU 投稿日:2015/01/18(日) 22:19:22 No.5308 [返信]
特に意図はありませんよ。まあ東京医療センターの斉藤先生の講演か何かに使われた表ですから、そのようなアグレッシブなものだったのかもしれませんね。

Figure 1の紹介ありがとうございます。これを見ても同じような治療でも実施機関によって大きく成績に開きがあるのは仕方ないのでしょうね。患者の立場としてはなるべく成績の良い病院にかかりたいものですが、その具体的な情報は少な目だし、成績の数値も単純には比較できないものが多いので戸惑うというのが現実でしょうか・・・。その辺りを補間して行けたら良いのですが。
SANZOKUさん PSA非再発率のグラフについて
投稿者: 投稿日:2015/01/18(日) 19:53:25 No.5307 [返信]
SANZOKU さん
非再発率などのステップ状変化の投稿があったとき、図の選定は多分、意図があると思いまして、図2の元の論文を調べてみました。

ただし、GANBA-SETA さんで「表は例に挙げただけで大意はない」

ということだったのですが、調べましたので、紹介します。

論文は筆頭著者Nathan Bittner 氏の2008年のInterstitial brachytherapy should be standard of care for treatment of high-risk prostate cancer.であり、Full textをみて該当の図をさがしました。
6ページのFigures 4 ですね。
http://www.cancernetwork.com/sites/default/files/cn_import/1254101.png

論文を検討しての研究結果ですが、Abstractの最後の文はなかなかアグレッシブですね。

A thoughtful review of the literature would suggest that interstitial brachytherapy offers a therapeutic advantage over other local treatment modalities and should be considered standard treatment for aggressive organ-confined prostate cancer.

2ページに興味ある図 Figure 1 がありました。

Figure 1

ここで、一等成績のいいMerrick氏の論文、Referencesとしていくつかあげられていますが、14. Androgen deprivation therapy does not impact cause-specific or overall survival in high-risk prostate cancer managed with brachytherapy and supplemental external beam.を紹介します。

10年PSA非再発率
86.6%

ただし、PSA非再発の定義が
PSA < or = 0.40 ng/mL after nadir.
と通常と少し異なります。

[以下1月19日追記]

Sylvester 氏の論文は以前紹介した2007年の15-Year biochemical relapse free survival in clinical Stage T1-T3 prostate cancer following combined external beam radiotherapy and brachytherapy; Seattle experience.であり、Grimm 氏 Merrick氏も共著者として名前を連ねています。
...(続きを読む)
直腸浸潤の件
投稿者:ファル 投稿日:2015/01/18(日) 17:28:12 Home No.5306 [返信]
こんにちは。ひさびさの投稿です。

・直腸浸潤の疑いの件
MRIの結果がでました。
「現在」は前立腺と直腸は離れているとのことです。
ということは直腸浸潤はなかったということですか?
と尋ねたら。そうとはいえない、治療前は直腸を破るくらいの勢いだったので・・・
経過を数値で観察しないとわからないと、なんだかグレーな感じです。

・PSA
<0.008 をキープ

・夜間頻尿
3か月前に処方されたフリバスが効いてほぼ良くなりました。

・手足の痛み
バネ指・足底腱膜炎(自己診断)は夜間頻尿の改善に伴い?症状が軽くなりました。
日中はあまり意識しなくてもよいくらいです。

ただし、ドケルバン病という腱鞘炎が右手首に発症、ステロイド剤を1回注射しましたが、
あまり効かず、不自由しています。油断して右手を使うと激痛が走ります。
字を書くのも辛いです。
全部、更年期のホルモンバランスが崩れた女性に多い症状とありますので、
ホルモン治療によるものと私は思っています。

ちなみに、泌尿器科医師全員は否定的、
(I医大は小線源外来があるのですが、主治医だったT先生が退職された後、交代制になり、
いろんな先生が診てくれます。(^^;)
整形外科医は泌尿器科医がそういうのであればと否定的、
唯一、かかりつけ医(循環器専門)が関係あるでしょうねと認めてくれました。
こんど開院する漢方内科医を紹介しましょうか、といわれたので行ってみようと思っています。
...(続きを読む)
GANBA-SETA さん
投稿者:SANZOKU 投稿日:2015/01/18(日) 10:12:25 No.5305 [返信]
GANBA-SETAさん。仰るとおり私は元々は工学系です。いや工学系崩れという方が正確ですかね・・・。いろいろやっていたもので。

今回自分は2つのことを間違っていました。その一つはサンプル数nが最初から最後まで変わらないという勘違いです。以前から、たとえば5年非再発率のグラフに3年以上経過観察ができたものというような但し書きがあるのを怪訝に思っていたのです。つまりサンプルは少なくとも5年以上観察されなければ5年非再発率は出ないだろうという考えでした。しかし今回気付いたのはサンプル数nが変化できるとすれば、3年しか観察していない人も3年非再発率までのデータとしてグラフに反映できるということです。

例えば毎年10名の治療数があるとすると5年で見るとn=50になります。ですが1年目はn=50であっても2年目はn=40になり、5年目はn=10になります。このような場合5年目の非再発率のデータは偶然性に支配されるようになって統計的意味合いがかなり低下しますね。これが1点目です。

もう一点はひげの父さんのご指摘です。サンプルの患者さんの中には癌死以外の理由で亡くなる人や、連絡が取れなくなって不明になる人や、結果に影響を及ぼす治療を受けてしまったりして不適格になる人が年を経るごとに増えてサンプル数が減少すると言うことです。例えば5年目はn=10→n=5に減ったとすると、もっと偶然性に左右されることになるということです。このような場合一人の患者さんの動勢で20%の変化になってしまいます。

私は以上の点で間違ってました。以上のことから10%を越えるステップがあるグラフはその時点以降のデータはあまり参考にならないという教訓を得ました。

以上の教訓を得て、もう一度先にアップした東京医療センターのグラフを読み解けば、手術は術後1年くらいまでに再発が多いが、その後も徐々に10年くらいまで再発が続く。一方放射線は5年くらいまで再発が続くがその後は非常に少ないと読めました。皆さんは如何ですか?
https://sen-you.boy.jp/bbs/main/?res=5285
腫瘍内科医
投稿者:GetWell 投稿日:2015/01/18(日) 02:26:58 No.5304 [返信]
■GANBA-SETAさん

>前立腺がんの治療の主治医は主に泌尿器科の先生ですね。

はい。将来的に薬物療法や放射線治療が大きく進歩して手術よりも圧倒的に有効な治療になったとしても、主治医は腫瘍内科医や放射線科医ではなく、泌尿器科医になるでしょう。

>腫瘍内科医の先生には、がん薬物専門医も多いと思いますがどうでしょうか。

著名な腫瘍内科医でも、がん薬物療法専門医の資格を取得されていない方はおられます。既に実績のある医師にとって、この資格は不要です。ただ、肩書きに弱い、肩書きだけで判断する、という方も現実にはいらっしゃるので、対外的な自己PRの一つという意味ではありだと思いますが、この資格は更新制ですので、患者に対して誠実で医学を幅広く勉強する真面目な医師ほど更新できずに脱落していくと思います。この資格にしがみつくくらいなら、他の学会や勉強会に可能な限り出席して勉強していだだきたいです。この資格がなければ腫瘍内科医にあらず、というようなムードが形成されることを危惧しております。

>主治医の泌尿器科の先生と、連携して対応していただけない病院は、避けた方が賢明ですね。

転移などがあれば、腫瘍内科だけでなく、他の診療科とも連携していかなくてはなりません。私は実際にチーム医療が機能している病院を皆さんにお勧めしています。

ちなみに私の父の場合、司令塔の泌尿器科主治医+腫瘍内科後期研修医+転移先臓器の専門医+緩和ケアチームという体制でした。

>化学療法の先行きを見ますと、とても兼任できる領域では無いように感じます。

そうですね。さらに大病院の泌尿器科医は、外来患者が殺到する上に、入院患者も注意深く診なくてはならない、そこに手術が加わり、カンファレンスや学会などもある。連日朝から晩まで超多忙で、呼び出しがあれば土日も休みではありません。腫瘍内科医のサポートや泌尿器科の分化科は必須です。


■ビーバーさん

北米の貴重な情報ありがとうございます。米国は医師になるのも大変だし、医師になってからも(その人の能力次第かもしれませんが)働き口が見つからなくて大変、なんて話を聞きますね。日本の腫瘍内科医は、がん薬物療法専門医になるくらいなら、米国臨床腫瘍学会の会員であってくれた方がまだ患者に利益をもたらすと私は考えています。

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