癌の免疫療法の進歩について
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/01/22(木) 12:24:13 No.5320
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出典はこちら
http://www.sciencemag.org/content/342/6165/1432.full
訳文を見ながら、さらに要点を簡約化したものです。
直接、前立腺がんに関することは少ないと思いますが、ご参考まで。
サイエンス誌に選ばれた2013年の最も大きなニュースは、癌の免疫療法の発達であった。
近年様々な臨床試験が行われ、患者の寿命を延ばすことに成功した例がたくさん寄せられている。
免疫療法は、癌細胞そのものではなく免疫系をターゲットにするという意味で、これまでの癌治療法とはまったく違うものである。多くの現実に直面してきた腫瘍学者によると、彼らの研究はすでにコーナーを曲がっており、後戻りすることはないという。
1980年代の終わり、T細胞のブレーキとして働く受容体CTLA-4が発見され、Arison博士は1996年にサイエンス誌上で、この機能を阻害する抗体によってマウスの腫瘍が消えたことを発表した。
2010年にブリストル・マイヤーズ スクイブによって、通常6ヶ月ほどしか持たないと言われている末期の転移性メラノーマ患者の寿命が、アンチCTLA-4抗体によって平均10ヶ月へと延び、その約4分の1が2年以上生存しているという発表があった。
1990年代の初め、日本の生物学者によって、CTLA-4と同様にT細胞のブレーキとして働いているタンパク質PD-1が発見されたのを受け、ジョンズ・ホプキンス大のDrew Pardoll博士は、2008年までの臨床試験結果を収集し、もはや手遅れとみなされた5人の腫瘍が小さくなり、数人は予想外に寿命が延びたことを発表した。
しかし、これらの治療法が実際に体内でどのように働いているかを理解することは難しい。例えばアンチCTLA-4とアンチPD-1では、双方ともに癌が消える数ヶ月前に、一度大きくなることがあった。
事例によっては、抗体投与を止めた後も体の免疫系が働き続けていることがあり、このことは免疫系が根本的に変化したことを示している。また特にアンチCTLA-4では、副作用として結腸や脳下垂体などに炎症が起こることがあった。研究者はこれらの事例を今やっと理解し始めたところである。
NCIのRosenberg博士らは癌へと遊走したT細胞を実験室内で培養し、難しい予後を過ごす患者に再注入する手法を続けており、2010年に患者のT細胞に遺伝的な操作を加えるCAR療法についての研究成果を発表したが、その後ペンシルベニア大のCarl June博士らによって、白血病が消えたという目に見える結果が報告され、75人の白血病患者のうち45人は回復しているという発表がなされた。
この方法も抗体療法と同様、新たな癌治療法となることが期待されている。
大手の製薬会社ではアンチPD-1などの抗体開発が行われており、ブリストル・マイヤーズ スクイブの転移性メラノーマ治療薬であるIpilimumab(イピリムマブ)は2011年にFDAの承認を受けた。しかしその値段は12万ドルと高額である。
2012年と2013年初頭にはジョンズ・ホプキンス大学の Topalian博士やイェール大学のSznol博士らによって、約300人を対象としたアンチPD-1療法の結果が報告された。メラノーマ患者の31%、腎臓癌患者の29%、肺癌患者の17%は癌が半分以下の大きさへと縮まった。
2013年にはブリストル・マイヤーズ スクイブから、イピリムマブを投与された1800人のメラノーマ患者のうち22%が3年以上生存しているという、更に大きな成果が発表された。
イピリムマブと他のアンチPD-1抗体を組み合わせることで、約3分の1の患者に早く大きな効果があることも報告された。
末期がんの治療は難しいとはいえ、数年前には考えられなかったほどの希望が生まれつつある。
腫瘍学ではすでに新たな物語が始まっていることは間違いないが、それがどのように終わるのかはまだ誰にも分からない。
現在、米国ではイピリムマブが前立腺がんに効くかどうかの臨床試験が行われているようです。
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http://www.sciencemag.org/content/342/6165/1432.full
訳文を見ながら、さらに要点を簡約化したものです。
直接、前立腺がんに関することは少ないと思いますが、ご参考まで。
サイエンス誌に選ばれた2013年の最も大きなニュースは、癌の免疫療法の発達であった。
近年様々な臨床試験が行われ、患者の寿命を延ばすことに成功した例がたくさん寄せられている。
免疫療法は、癌細胞そのものではなく免疫系をターゲットにするという意味で、これまでの癌治療法とはまったく違うものである。多くの現実に直面してきた腫瘍学者によると、彼らの研究はすでにコーナーを曲がっており、後戻りすることはないという。
1980年代の終わり、T細胞のブレーキとして働く受容体CTLA-4が発見され、Arison博士は1996年にサイエンス誌上で、この機能を阻害する抗体によってマウスの腫瘍が消えたことを発表した。
2010年にブリストル・マイヤーズ スクイブによって、通常6ヶ月ほどしか持たないと言われている末期の転移性メラノーマ患者の寿命が、アンチCTLA-4抗体によって平均10ヶ月へと延び、その約4分の1が2年以上生存しているという発表があった。
1990年代の初め、日本の生物学者によって、CTLA-4と同様にT細胞のブレーキとして働いているタンパク質PD-1が発見されたのを受け、ジョンズ・ホプキンス大のDrew Pardoll博士は、2008年までの臨床試験結果を収集し、もはや手遅れとみなされた5人の腫瘍が小さくなり、数人は予想外に寿命が延びたことを発表した。
しかし、これらの治療法が実際に体内でどのように働いているかを理解することは難しい。例えばアンチCTLA-4とアンチPD-1では、双方ともに癌が消える数ヶ月前に、一度大きくなることがあった。
事例によっては、抗体投与を止めた後も体の免疫系が働き続けていることがあり、このことは免疫系が根本的に変化したことを示している。また特にアンチCTLA-4では、副作用として結腸や脳下垂体などに炎症が起こることがあった。研究者はこれらの事例を今やっと理解し始めたところである。
NCIのRosenberg博士らは癌へと遊走したT細胞を実験室内で培養し、難しい予後を過ごす患者に再注入する手法を続けており、2010年に患者のT細胞に遺伝的な操作を加えるCAR療法についての研究成果を発表したが、その後ペンシルベニア大のCarl June博士らによって、白血病が消えたという目に見える結果が報告され、75人の白血病患者のうち45人は回復しているという発表がなされた。
この方法も抗体療法と同様、新たな癌治療法となることが期待されている。
大手の製薬会社ではアンチPD-1などの抗体開発が行われており、ブリストル・マイヤーズ スクイブの転移性メラノーマ治療薬であるIpilimumab(イピリムマブ)は2011年にFDAの承認を受けた。しかしその値段は12万ドルと高額である。
2012年と2013年初頭にはジョンズ・ホプキンス大学の Topalian博士やイェール大学のSznol博士らによって、約300人を対象としたアンチPD-1療法の結果が報告された。メラノーマ患者の31%、腎臓癌患者の29%、肺癌患者の17%は癌が半分以下の大きさへと縮まった。
2013年にはブリストル・マイヤーズ スクイブから、イピリムマブを投与された1800人のメラノーマ患者のうち22%が3年以上生存しているという、更に大きな成果が発表された。
イピリムマブと他のアンチPD-1抗体を組み合わせることで、約3分の1の患者に早く大きな効果があることも報告された。
末期がんの治療は難しいとはいえ、数年前には考えられなかったほどの希望が生まれつつある。
腫瘍学ではすでに新たな物語が始まっていることは間違いないが、それがどのように終わるのかはまだ誰にも分からない。
現在、米国ではイピリムマブが前立腺がんに効くかどうかの臨床試験が行われているようです。
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