今まで、PSA非再発率に関して医学論文を紹介してきました。医学論文においては、通常、カプラン・マイヤー法(Kaplan-Meier method)が使われます。
勝俣範之『「抗がん剤は効かない」の罪』の投稿で勝俣先生のカプラン・マイヤー法に関する説明を紹介しました。再掲します。
がん患者の生存曲線は「カプランマイヤー法」という方法で描かれるが、"真の生存曲線"ではなく、"推定生存曲線"であるということ。
累積生存率の95%信頼区間の上限値を繋いだものと、95%信頼区間の下限値を繋いだものを図表すると、かなり幅があることがわかり、「カプランマイヤー法」で表される曲線を"真の生存曲線"と誤解しないことが必要。
追跡不能となったのは「打ち切り」例として表示するが、打ち切り例は、生存曲線に縦棒としてあらわす。
最後の部分がすとんと落ちるグラフは、たくさんの患者が亡くなったことを意味するのではなく、最も長く追跡された患者さんひとりが亡くなったことを示す。
生存期間の最後のほうは、追跡患者が少なくなるために生存曲線の形が変わりやすく、医学的には"累積生存率の信頼区間の幅が広くなる"
生存曲線を導き出す方法がどうして再発率を導き出すのに使用されるかに関しては以下に書かれていることが端的です。 1)
カプランマイヤー法を使用するためには,2種類のデータが必要となります。1つは「死亡」や「生存」などのアウトカムが起こったかどうかを表す2値のデータで,2値であればどんなものでも構いません。例えば,がんの罹患,再発,人工透析の有無,入院,退院など,使用されるアウトカムはさまざまです。
もう1つ必要なのは時間のデータです。時間のデータとは,アウトカムが起こった被験者ではアウトカムの起こった時間,アウトカムが起こらなかった被験者では追跡中に被験者が観察された最後の時間を指します。後者のデータは「中途打ち切り(Censor)されたデータ」と呼ばれます。
カプランマイヤー曲線で,Y軸上に"生存率"として表されている値は,正確には"累積生存率"と呼ばれ,その時点で患者が生存している確率を表します。
従って、以下、説明では生存、死亡で記述されていることは、「PSA非再発」、「PSA再発」とよみかえて、特に問題ありません。
カプラン・マイヤー法は、以下のように定式化されます。 2)
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