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前立腺がんへの照射線量について
投稿者:漂流 投稿日:2017/03/13(月) 01:01:13 Home No.8397 [返信]
リスクの治療には、放射線照射以外には無いとの判断ですが(5年のPSAの非再燃率は、手術に比べて、約2倍の高さ)、具体的に、限局癌を征圧するには、どれくらい放射線量が必要かを勉強しました。照射量が多ければ多いほど、癌は征圧出来ますが、正常組織も放射線障害を激しく受けます。どの程度が良いのかを実験的に示した論文を下記に示します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16242258
タイトルBiologically effective dose values for prostate brachytherapy: effects on PSA failure and posttreatment biopsy results.
この研究は、徹底した解析が行われています。線量単位としてBEDが用いられています。このBEDは、biological effective dose(生物学的等価線量)です。放射線生物学や放射線腫瘍学のLQモデルに基づき、分割照射による細胞生存率への影響を加味した指標ということになります。異なる線量や照射回数を用いたときの放射線治療の効果や影響は、BEDにより比較可能となります。
 BED量による癌の征圧の程度を見るため、線量を変化させています。ところが、外部照射だけを利用すると、前立腺に隣接する正常臓器、例えば、大腸に大きな放射線障害(大量出血など)をもたらす事になります。例えば、BED=200にするには、1.8グレイ/一回照射の分割照射の場合、58回の照射で計、105グレイの照射が必要となります。従って、前立腺内部に、放射線源を留置して照射し、隣接する正常組織の被爆を抑える形で、BED200以上を確保しています。(これが現在の小線源治療につながっています)
 その結果、BED200で最もPSA非再発率が高くなっていました。別の論文では(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19879812),更に、BEDを上げて、どうなるかを見ています。その結果、BED >220 Gy以上では、差異がないことが判ったと書いてありました。従って、少なくともBED =220 Gyが求められます。この線量を確保するには、外部線源と内部線源留置の方法しかないと判断されます。
 因みに、最近は、外部照射単独でも、出来るだけ線量を上げる試みがなされており、ある論文(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24447404)では、中リスクの患者に対して86.4GyのIMTR(BED164)を行っています。しかし、この論文では、brachytherapy combined with 50.4 Gy of IMRT を行っている実験区ももうけており、その結果、brachytherapy combined with 50.4 Gy of IMRT の方が、IMRT単独よりも治療成績がよいと記載されていました。

これらのことを総合すると、これまで、中に焦点を合わせて来ましたが、中リスクでも小線源治療と外部照射を組み合わせた治療が優れている様です。

追記: SANZUKUさんは、BEDは220越えの様ですね

ランナ-さん:ホルモン治療は終了してますよね。もう、そのことは考えないで、如何にホルモンから抜け出るかが重要だと思います。また、勉強してお知らせ出来ればと思います。先ずは、血管を強くするために、適切な運動をすることだと思います。

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