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『東大のがん治療医が癌になって』
投稿者: 投稿日:2018/02/28(水) 10:55:46 Home No.9729 [返信]
加藤大基、中川恵一『東大のがん治療医が癌になって』ロハス・メディカルを読みました。
東大病院放射線科で治療に従事していた加藤大基氏が病院を辞めて非常勤で勤務していた病院での胸部レントゲンで左胸部に丸い影をみつけ東大病院で肺がん治療を行ったことを書いた本です。

上司であった中川恵一氏に本を書くことを勧められ、結局共著としての出版になった模様です。
医師自らが読影でがんの疑いをみいだし、確定し治療を行っていく過程は稀有な記録だと思いました。
医師としての客観的な見方よりともすると患者の安易な希望に傾いていくというのはそれはそれで納得する話でした。
例えば、P.22の以下の記述

闘病中に怪しげな治療や呪術などに傾倒する人の気持ちがわからないでもなく感じました。

共著の中川恵一氏は第四章 加藤君の闘いの意味 という表題で書いています。
その中から印象に残った文、少し長いですが引用します。

P.139
がんは、転移するようになると、手がつけられません。転移をしてしまった
がんは、大腸がんの肝臓転移など、一部の例外を除いて、基本的に治癒でき
ません。ちなみに、がんの治癒とは、治療のあと5年経っても、再発してい
ない状態を指します。5年生存率が治癒率と同義として使われます。ただし、
乳がん、前立腺がんなどの、進行がゆるやかながんは、5年後にも再発するこ
とがあり、10年生存率が使われます。乳がんなどは、治療後20年して再発す
ることも珍しくありません。治りやすいがんは、いつまでも再発のリスクの
あるタイプでもあります。

P.142
がん治療法には多くの選択肢がありますので、その中から利益と副作用を勘案し、
患者さんの価値観も踏まえて、自ら選択する必要があります。治療には基本的に
はすべて「副作用」、「合併症」、あるいは「後遺症」を伴います。両者の良い
ところと悪いところを勘案して治療法を選択する必要があります。医療側は基本
的には最大限の効果が期待される治療をすすめますが、その利点と欠点に関する
説明を聞いた上で、患者さんが自らの価値観によって判断するのが理想的な医療
の形です。そのためには、患者さんが、正しい選択を行うだけの情報を持ってい
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