とっつきにくいタイトルですが、かなり重要な話です。
(はじめに)
大腸がんで、全生存期間(OS)の予測は、血中循環腫瘍細胞(CTC)数に関連することが判ったという
報告がありました。
(Journal of gastrointestinal and liver diseases誌2014年9月号)
主な結果は次のとおり。
・合計75例の大腸がん患者が登録され、stage I~IIIが54例、stage IVが21例であった。
・ベースライン時のCTCが陽性であった患者21例(28%)の全生存期間(OS)は36.2ヶ月。
陰性であった患者の全生存期間(OS)は61.6ヶ月。有意に予後と関連していた。
・患者の22.4%は化学療法後もCTCが陽性のままであり、全生存期間(OS)の独立した予後因子であった。
(ところで)
前立腺がんでは血中循環腫瘍細胞(CTC)がどのように関連しているのか気になるところですが、
2014年AACR(米国腫瘍研究会) ではこのような発表がなされています。
内容が、遺伝子(RNA)に関することで、一見難しく思われたので、とりあえずスルーしていたのですが、
よく読んでみると非常に重要なことが書かれていました。
http://www.nejm.jp/abstract/vol371.p1028
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)では血液中循環腫瘍細胞(CTC)における
AR-V7(AR Splice Variant-7=アンドロゲン受容体スプライスバリアント-7) の発現が
20倍程度まで上昇するという報告もなされていますが、
AR-V7ではAR阻害薬が結合できる部位が欠けているため、理論的にはAR阻害薬は無効となると言われています。
そこで、エンザルタミドおよびアビラテロンそれぞれについて、
血液中循環腫瘍細胞(CTC)におけるAR-V7 の発現状況と、その効果(抵抗性)のほどを調べてみたという報告です。
少し手間をかけて一覧表にまとめてみるとこのような結果となりました。
(下の図を参照)
注目すべきは、エンザルタミド、アビラテロンとも、AR-V7の発現があれば、PSAの反応(降下)はゼロ、
つまりほとんど効果がないということになります。
AR-V7の発現が陰性だった患者では、いずれも過半数(エンザルタミド53%、アビラテロン68%)で効果が見られました。
...(続きを読む)
(はじめに)
大腸がんで、全生存期間(OS)の予測は、血中循環腫瘍細胞(CTC)数に関連することが判ったという
報告がありました。
(Journal of gastrointestinal and liver diseases誌2014年9月号)
主な結果は次のとおり。
・合計75例の大腸がん患者が登録され、stage I~IIIが54例、stage IVが21例であった。
・ベースライン時のCTCが陽性であった患者21例(28%)の全生存期間(OS)は36.2ヶ月。
陰性であった患者の全生存期間(OS)は61.6ヶ月。有意に予後と関連していた。
・患者の22.4%は化学療法後もCTCが陽性のままであり、全生存期間(OS)の独立した予後因子であった。
(ところで)
前立腺がんでは血中循環腫瘍細胞(CTC)がどのように関連しているのか気になるところですが、
2014年AACR(米国腫瘍研究会) ではこのような発表がなされています。
内容が、遺伝子(RNA)に関することで、一見難しく思われたので、とりあえずスルーしていたのですが、
よく読んでみると非常に重要なことが書かれていました。
http://www.nejm.jp/abstract/vol371.p1028
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)では血液中循環腫瘍細胞(CTC)における
AR-V7(AR Splice Variant-7=アンドロゲン受容体スプライスバリアント-7) の発現が
20倍程度まで上昇するという報告もなされていますが、
AR-V7ではAR阻害薬が結合できる部位が欠けているため、理論的にはAR阻害薬は無効となると言われています。
そこで、エンザルタミドおよびアビラテロンそれぞれについて、
血液中循環腫瘍細胞(CTC)におけるAR-V7 の発現状況と、その効果(抵抗性)のほどを調べてみたという報告です。
少し手間をかけて一覧表にまとめてみるとこのような結果となりました。
(下の図を参照)
注目すべきは、エンザルタミド、アビラテロンとも、AR-V7の発現があれば、PSAの反応(降下)はゼロ、
つまりほとんど効果がないということになります。
AR-V7の発現が陰性だった患者では、いずれも過半数(エンザルタミド53%、アビラテロン68%)で効果が見られました。
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