RE:手術と外照射の比較
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2015/11/10(火) 01:21:09 No.6662
[返信]
まず誤解のないように付け加えておきますが
これは手術だけのグループと放射線治療だけのグループを比較したものではありません。
初期治療がどちらだったというグループ分けです。
手術グループに含まれる人というのは、手術で根治した人もあれば、
術後再発して放射線による救済治療を受けた人、ホルモン療法を受けた人、
その両方を受けた人、すべてが含まれています。
それぞれのグループを構成する患者条件にもかなりの違いがあるようです。
このようなバイアスの存在が結論に及ぼす影響をどのように評価するかということになりそうですが
一施設の研究発表なので、恣意性をなくして客観性を確保するのが難しいと思われます。
「結論」はうんと簡単にこのように書かれていますね。
Although the patients in the EBRT group was older and had a higher OCM rate,
multivariate analysis associated RP with longer CSS.
RP might be the better choice, especially for high-risk patients.
(拙訳すると)
外部照射グループは年齢層が高く、他の原因による死亡率も高かったものの、多変量解析によると、
手術のほうが特異的生存率で優位であると、想いをめぐらす(associated)ことができる。
手術は、高リスク患者においては、優位と言えるかもしれない。
データから単純に結論が引き出せない場合、しばしば多変量解析という技が用いられます。
このことだけでも、これがすっきり導き出された結論ではなさそうに思えます。
統計の手法に長けた人は、これで人を煙に巻くことも良くあるとか。
実際、「ディスカッション」はかなり長文で、その中にこのような記述も見られます。
>本研究では選択バイアスに苦しみました。(略)
>そのようなバイアスの蓄積は両群間に大きな違いを作ったであろう。(略)
>今回の結果は慎重に解釈されるべきです。
抗凝固剤や抗血小板剤を処方されていた患者34人は手術よりもEBRTに割り当てられた、
というのもバイアスの事例として上がっています。
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これは手術だけのグループと放射線治療だけのグループを比較したものではありません。
初期治療がどちらだったというグループ分けです。
手術グループに含まれる人というのは、手術で根治した人もあれば、
術後再発して放射線による救済治療を受けた人、ホルモン療法を受けた人、
その両方を受けた人、すべてが含まれています。
それぞれのグループを構成する患者条件にもかなりの違いがあるようです。
このようなバイアスの存在が結論に及ぼす影響をどのように評価するかということになりそうですが
一施設の研究発表なので、恣意性をなくして客観性を確保するのが難しいと思われます。
「結論」はうんと簡単にこのように書かれていますね。
Although the patients in the EBRT group was older and had a higher OCM rate,
multivariate analysis associated RP with longer CSS.
RP might be the better choice, especially for high-risk patients.
(拙訳すると)
外部照射グループは年齢層が高く、他の原因による死亡率も高かったものの、多変量解析によると、
手術のほうが特異的生存率で優位であると、想いをめぐらす(associated)ことができる。
手術は、高リスク患者においては、優位と言えるかもしれない。
データから単純に結論が引き出せない場合、しばしば多変量解析という技が用いられます。
このことだけでも、これがすっきり導き出された結論ではなさそうに思えます。
統計の手法に長けた人は、これで人を煙に巻くことも良くあるとか。
実際、「ディスカッション」はかなり長文で、その中にこのような記述も見られます。
>本研究では選択バイアスに苦しみました。(略)
>そのようなバイアスの蓄積は両群間に大きな違いを作ったであろう。(略)
>今回の結果は慎重に解釈されるべきです。
抗凝固剤や抗血小板剤を処方されていた患者34人は手術よりもEBRTに割り当てられた、
というのもバイアスの事例として上がっています。
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