大阪で行われた骨転移のセミナーに行ってきました。(がんと共に生きる会 主催)
(整形)橋本伸之先生の話がメインで、これを補う形で(乳がん)玉木先生、(肺がん)奥山先生、(放射線治療)手島、(緩和医療)濱先生・・・という顔ぶれでした。(いずれも府立成人病センター)
チーム医療を意識したメンバーとのことですが、ここに前立腺がんの先生が蚊帳の外というのが解せませんね。骨転移の多いことでは前立腺がんは横綱クラスなので、始めから除外はしないだろうと思うのですが、泌尿器科の先生の都合がつかなかったのか、同意を得られなかったのか、少し疑問に思いました。
全体的には良い企画だと思いましたし、橋本先生の話し方もパンチ力という意味では若干もの足りなさも感じましたが、内容はさすがといいましょうか、ぴかイチでしたね。
骨転移をこのような角度で捉えたセミナーは、私の知る限りおそらく始めてだと思います。
橋本先生の講義は、患者にも判り易くすばらしいものでしたが、あえて、に苦言を言わせてもらうとすれば、(質疑用紙にも書きましたが)「骨転移で命が脅かされることはない」という点を強調されていたことでしょうか。
私はこれは間違いとは言いませんが、表現としては不適切だと思っています。
骨転移⇒麻痺など骨関連事象の発現⇒QOLの極端な低下⇒全生存期間の短縮 という流れを実証した研究発表もあるので、これとは逆に「骨転移で命が縮むこともある」という言い方で、患者や医療関係者の注意を喚起するという言い方のほうが、正しいといいましょうか、本来あるべき姿勢だと思うのですがいかがなものでしょうか。
泌尿器科医に限らないと思いますが、骨転移を軽視する医師が多いことにうんざりしています。骨転移についての患者からの質問に対し「骨転移では死にません」と言い捨てる医師にも出会いました。専門医にも、患者の身になって、骨転移についてもっと深く考えていただく為にも、このような表現はできれば改めて欲しいと、強く願うところです。
原発事故で「ただちに健康に影響はない」という表現を多用した大臣がおられましたが、「骨転移でただちに命が脅かされることはない」と言っておられるように聞こえてしまい、ちょっと残念に思いました。
橋本先生に帰りがけにご挨拶をした時に、ちょっとこの話を伝えておきました。ご理解はいただけたように思いましたが、今後の講演ではニュアンスの変わることを期待したいと思っています。
後は、全体的なことですが、骨転移に話題を絞るあまり、骨粗鬆症に関する注意喚起がなされなかったこと。
乳がんや前立腺がんではホルモンを行う事が多いのですが、ホルモン療法が長期化すれば、骨密度の低下を来たしやすくなります。これにより、背骨の圧迫骨折が見られ、激しい痛みや神経の損傷を来たすことが多いので、この対応も重要となってくるはずですが、ほとんどこうした説明はありませんでした。
もうひとつ、どの先生も触れなかったのは、放射性医薬品(例えばストロンチウム89など)についてです。
放射線治療の手島先生は、3年後に完成予定の重粒子線治療について、ブラッグピークを持つ物理特性により照射範囲を限定できるので、骨転移の再照射の可能性もあると言われましたが(再照射の実績は極めて乏しい上に、重粒子線はガラパゴス治療なので、世界的なコンセンサスもなく保険外治療なので300万円以上を要します)これは身びいきすぎますね。重粒子線の再照射は物理特性で決まるものではなく、位置の合わせ方が勝負となるので、よほど習熟し照射技術に保証がない限り、大きなリスクを伴います。
ストロンチウム89であれば、多発骨転移に対し、すでに世界各国での実績も多く、我国でも健康保険の対象になっています。1回の注射で10万円(3割負担)ほどかかるので、決して安くはないものの、これでざっと3ヵ月間痛みが抑えられとすれば、この値段も妥当と言えるかも知れません。また、比較的低浸襲と言われており、3ヵ月以上が経過して効き目がなくなれば、繰り返し注射を行うことも可能です。
放射線治療による骨痛の緩和は外部照射だけじゃなく、このような放射性医薬品による体内照射もあるということは、患者としては知っておくべきでしょうし、医師にも説明すべき責任があると思います。
(これは挙手で簡単に質問させていただきましたが、ゆっくり話をする時間がなかったのが残念です)
さらに付け加えれば、ストロンチウム89(β線)よりも、もっと効果のある(疼痛緩和のみならず、全生存期間が延びるという事が臨床試験で実証されています)新しい放射性医薬品(α線)が、米国では昨年承認されており、そう遠くないうちに我国でも使えるようになるはずです。
(整形)橋本伸之先生の話がメインで、これを補う形で(乳がん)玉木先生、(肺がん)奥山先生、(放射線治療)手島、(緩和医療)濱先生・・・という顔ぶれでした。(いずれも府立成人病センター)
チーム医療を意識したメンバーとのことですが、ここに前立腺がんの先生が蚊帳の外というのが解せませんね。骨転移の多いことでは前立腺がんは横綱クラスなので、始めから除外はしないだろうと思うのですが、泌尿器科の先生の都合がつかなかったのか、同意を得られなかったのか、少し疑問に思いました。
全体的には良い企画だと思いましたし、橋本先生の話し方もパンチ力という意味では若干もの足りなさも感じましたが、内容はさすがといいましょうか、ぴかイチでしたね。
骨転移をこのような角度で捉えたセミナーは、私の知る限りおそらく始めてだと思います。
橋本先生の講義は、患者にも判り易くすばらしいものでしたが、あえて、に苦言を言わせてもらうとすれば、(質疑用紙にも書きましたが)「骨転移で命が脅かされることはない」という点を強調されていたことでしょうか。
私はこれは間違いとは言いませんが、表現としては不適切だと思っています。
骨転移⇒麻痺など骨関連事象の発現⇒QOLの極端な低下⇒全生存期間の短縮 という流れを実証した研究発表もあるので、これとは逆に「骨転移で命が縮むこともある」という言い方で、患者や医療関係者の注意を喚起するという言い方のほうが、正しいといいましょうか、本来あるべき姿勢だと思うのですがいかがなものでしょうか。
泌尿器科医に限らないと思いますが、骨転移を軽視する医師が多いことにうんざりしています。骨転移についての患者からの質問に対し「骨転移では死にません」と言い捨てる医師にも出会いました。専門医にも、患者の身になって、骨転移についてもっと深く考えていただく為にも、このような表現はできれば改めて欲しいと、強く願うところです。
原発事故で「ただちに健康に影響はない」という表現を多用した大臣がおられましたが、「骨転移でただちに命が脅かされることはない」と言っておられるように聞こえてしまい、ちょっと残念に思いました。
橋本先生に帰りがけにご挨拶をした時に、ちょっとこの話を伝えておきました。ご理解はいただけたように思いましたが、今後の講演ではニュアンスの変わることを期待したいと思っています。
後は、全体的なことですが、骨転移に話題を絞るあまり、骨粗鬆症に関する注意喚起がなされなかったこと。
乳がんや前立腺がんではホルモンを行う事が多いのですが、ホルモン療法が長期化すれば、骨密度の低下を来たしやすくなります。これにより、背骨の圧迫骨折が見られ、激しい痛みや神経の損傷を来たすことが多いので、この対応も重要となってくるはずですが、ほとんどこうした説明はありませんでした。
もうひとつ、どの先生も触れなかったのは、放射性医薬品(例えばストロンチウム89など)についてです。
放射線治療の手島先生は、3年後に完成予定の重粒子線治療について、ブラッグピークを持つ物理特性により照射範囲を限定できるので、骨転移の再照射の可能性もあると言われましたが(再照射の実績は極めて乏しい上に、重粒子線はガラパゴス治療なので、世界的なコンセンサスもなく保険外治療なので300万円以上を要します)これは身びいきすぎますね。重粒子線の再照射は物理特性で決まるものではなく、位置の合わせ方が勝負となるので、よほど習熟し照射技術に保証がない限り、大きなリスクを伴います。
ストロンチウム89であれば、多発骨転移に対し、すでに世界各国での実績も多く、我国でも健康保険の対象になっています。1回の注射で10万円(3割負担)ほどかかるので、決して安くはないものの、これでざっと3ヵ月間痛みが抑えられとすれば、この値段も妥当と言えるかも知れません。また、比較的低浸襲と言われており、3ヵ月以上が経過して効き目がなくなれば、繰り返し注射を行うことも可能です。
放射線治療による骨痛の緩和は外部照射だけじゃなく、このような放射性医薬品による体内照射もあるということは、患者としては知っておくべきでしょうし、医師にも説明すべき責任があると思います。
(これは挙手で簡単に質問させていただきましたが、ゆっくり話をする時間がなかったのが残念です)
さらに付け加えれば、ストロンチウム89(β線)よりも、もっと効果のある(疼痛緩和のみならず、全生存期間が延びるという事が臨床試験で実証されています)新しい放射性医薬品(α線)が、米国では昨年承認されており、そう遠くないうちに我国でも使えるようになるはずです。