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京大病院の放射線治療+ADT
投稿者:ぽんた 投稿日:2020/08/21(金) 20:59:38 No.70 [返信]
Long-term Outcomes of Dynamic Conformal Arc Irradiation
Combined with Neoadjuvant Hormonal Therapy in Japanese
Patients with T1c-T2N0M0 Prostate Cancer: Case Series Study
Jpn J Clin Oncol 2014;44(2)180 ? 185

京大放射線科からの論文

直接的には三次元原体照射という現在ではもはや最先端ではない方法の治療成績を示した報告ですが、自分にとって特筆すべきはGS:8であっても、neoadjuvant ADT以外は追加のADTを行わず照射終了で治療を終えていることです。

目的:T1c-T2N0M0の局所限局前立腺癌患者に対するneoadjuvant HT併用3次元原体照射の長期成績の検討。

方法:2003年3月から2007年8月まで、初回治療として3D原体照射を行った150例の日本人T1c-T2N0M0患者を対象とした。対照患者のうち、GS以上は24例/150例、
リスク分類では高リスク群が50例/150例
照射前のホルモン治療は平均6か月、照射線量の平均は74Gy.Salvage hormonal therapyはPSA値が漸増し4ng/mlを越えるまで行わなかったと。

結果:平均79か月の経過観察。Salvage hormonal therapyは10例で施行。施行時の平均PSAは4.7ng/ml。 5年生化学的非再発率、salvage hormonal therapy-free率、生存率はそれぞれ83.3%, 94.3%,96.4%

コメント:高リスク群が150例中50例もあることを勘案すると、まずまずの成績であり、
また生化学的再発をきたしsalvageホルモン療法が必要であった率を見ると、
  低リスク群:0%
  中間リスク群:0.5%
高リスク群:11.2 % であったとしている。すなわち高リスク群であっても放射線治療終了で治療を終えたとしても、5年間のfollowでADTが必要となるのはおおよそ10人に1人だったと理解。

放射線治療後、2年3年と長々とADTを行った検討では、経過観察の開始は通常放射線治療終了時であり、5年程度の観察期間であれば、そのうち2~3年はホルモン治療をしているわけで、これをconcurrent ADTを行わない今回のような検討と直接比較するのはフェアではないのではないかと感じています。高リスク群に対する放射線治療+ADTのランダム化比較試験でADTの期間設定として多いのは、24か月あたりの群と6か月あたりの2群に割り付けるのが多いと思われます。ただどちらの群も、経過観察の開始は放射線治療終了時であり、5年の経過観察では半分近くまだADT継続中ということになり、この比較は妥当なのかなあと思ってしまいます。
京大病院では現在も限局癌では高リスクでもneoadjuvant以外のADTは行っていないのでしょうか。
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