私の参加した寡分割照射の臨床試験の結果がプレプリント版であるが発表された。
筆頭著者は浜松医科大学の中村和正氏。
https://www.researchsquare.com/article/rs-3217050/v1
臨床試験の目的はこう書かれている。
前立腺癌に対して画像誘導技術を用いた強度変調放射線治療による寡分割照射法70 Gy/28回(1回2.5 Gy)が有効かつ安全であるかを探索的に検討する。
以下のように報告されている。
リスク分類別患者数
低リスク 20 人
中間リスク 80 人
高リスク 34 人
合計 134人
高リスクは「高リスク因子(T3a, 20< PSA =<30, G=8,9)の一つのみを有する」
さらに「中リスクまたは高リスクの前立腺がん患者には、4~8か月の術前補助ホルモン療法が必須」
5年全生存率:94.5%
5年PSA非再発率:96.0%
5年臨床的無再発生存率:99.2%
5年PSA非再発率
低リスク:94.1%
中間リスク:97.4%
高リスク:93.9%
5年後のグレード2の消化器系および泌尿生殖器系の晩期毒性発現率は、それぞれ5.3%および5.3%
グレード3以上の急性毒性および晩期毒性は認められなかった。
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日本人の前立腺癌患者を対象としたこの試験で、中等度寡分割IMRTの安全性と有効性が確認された。
私が患者として参加した臨床試験の論文で私の属性、中間リスクでかなり良好な結果が報告されたのは素直にうれしい。高リスクもそれなりのPSA再発率が報告されたのはやはり高リスク因子は一つのみという制約があったからだろう。
論文の終わりに書かれている次の文は臨床試験に参加したものとして意義深いものだ。
「私たちの試験は、アジア諸国で前立腺がんに対する中等度寡分割放射線治療が普及するためのマイルストーンになると考えている」
時間のある時に調査・対応します。m(__)m