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重粒子線+ADT後のPSAの変化
投稿者:ぽんた 投稿日:2021/01/09(土) 21:08:22 No.71

Prostate-specific antigen dynamics after neoadjuvant androgen-deprivation therapy
and carbon ion radiotherapy for prostate cancer
邦訳:ホルモン療法(ADT)を併用した重粒子線治療後のPSA変化
Yosuke Takakusagi 他
PLoS ONE 15(11): e0241636. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0241636
Published: November 6, 2020

PloS Oneというネット雑誌掲載の論文、神奈川がんセンター放射線科から。
照射前、ADTを併用し、重粒子線治療を行った85例の中間リスク前立腺癌患者を対象とし治療後のPSAの経過を経時的に経過を追った論文
自分が重粒子線治療を約8か月前に終了し、あと4か月ほどでADTを終了しようかというところなので、今後のPSAの経過について検討した論文を読んでみました。

治療時期は2015年から2017年、ADTは重粒子線終了と同時に止めている。
Bounce(バウンス)の定義はnadir(最低値)から0.4ng/ml以上のPSAの上昇
PSA failure(生化学的再発)の定義は通常通り、nadirから2ng/ml以上の上昇
平均follow up期間は30か月(20~48)
PSA bounceは39例(45.9%)に見られた。
PSA failreは8例(9.4%)に見られたとのこと。
PSA bounceが見られた症例と相関のあった要因は若年であることのみとのことです。
興味深いのはPSA failureの判定基準を満たした8例のうち、7例が治療の追加なくPSA値がその後低下していることです。これらは本当に再発なのか。そもそも放射線治療単独の場合とADTを併用した場合との再発の基準を、ともにnadir+2ng/mlに設定するのはおかしいのではないかと思います。ADTを併用すると正常細胞のPSA産生も機能的に抑えるわけで、ADTの終了後のPSAの戻りが大きいのは当然と考えられます。したがってそもそもADT+放射線治療のPSA再発の基準は、nadir+2ng/mlよりも高い値に設定すべきなのではないでしょうか。

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