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滋賀医大 岡本らの論文
投稿者:漂流 投稿日:2017/03/15(水) 00:50:40 No.54

http://www.termedia.pl/High-biologically-effective-dose-radiation-therapy-using-brachytherapy-in-combination-with-external-beam-radiotherapy-for-high-risk-prostate-cancer,54,29511,1,1.html

High biologically effective dose radiation therapy using brachytherapy in combination with external beam radiotherapy for high-risk prostate cancer

Keisei Okamoto, MD, PhD1, Akinori Wada, MD2, Naoaki Kohno, MD, PhD3
1Department of Brachytherapy for Prostate Cancer, 2Department of Urology, 3Department of Radiology, Shiga University of Medical Science,
Shiga, Japan

タイトル
内部照射と外部照射との組み合わせによる、高BED(biologically effective dose: 生物学的等価線量)での高リスク前立腺癌の治療

目的: 低線量率内部照射(LDR)、外部照射(EBRT)、そして、短期間アンドロゲン遮断療法(ADT)を組み合わせて、220Gyを超えるBEDで、高リスク前立腺癌を治療し、その成果を評価すること。

材料と方法: 2005年から2013年のまでの間、高リスク前立腺癌を患った143人に対して、LDR, EBRT, そして短期ADTを組み合わせてBED ? 220 Gyの放射線治療を施した。本研究での「高リスク前立腺癌の患者」は、高リスクと超高リスク前立腺癌患者から構成されていた。具体的には、60人は高リスク因子を一つ(42%)、61人は高リスク因子を二つ(43%)、そして、残りの22人は高リスク因子を三つ(15%)、このうち5人はリンパ節転移が認められた。 EBRTは癌の広がり方を勘案して、前立腺と精嚢だけに照射するか或いは、全骨盤照射を行った。

結果: 6人の患者は生化学的再発(PSAの再燃)が明らかとなったので、5年の実質生化学的非再発率は95.2%となった。生化学的再発は、本研究では、遠隔転移の症例でもあった。この生化学的再発をした6人は、骨転移という臨床的再発に至った。このことから、5年臨床的非再発率は、計算上、93.0%となった。リンパ節転移の患者については、何方も、生化学的再発は認められなかった。本研究の追跡で、前立腺癌が原因で亡くなられた1人を含め、計4人の方が亡くなられた。従って疾病特異的生存率は、97.2%、そして、全生存率は、95.5%と計算された。

結論:   LDRとEBRT を組み合わせて、BED ? 220 Gy照射は、生化学的非再発率において、卓越した成績をもたらすことが示された。

ここでは、スペースの関係で、抄録しか翻訳していませんが、この抄録からも判りますが、全文を読むと以下の事が明確に判ります。

生化学的再発は6人に認められ、ADT終了後、中央値23(12-30)ヶ月であること、遠隔転移は、その後、中央値9(0-18)ヶ月で確認された。このような短期間でのPSA再燃、そして、遠隔転移は、治療開始前に、既に、遠隔転移していたことを示しています。それを裏付ける証拠として、生化学的再発した6人は、前立腺内での癌の再発は認められなかったのです。
治療の段階で、既に遠隔転移している前立腺癌については、征圧出来ませんでしたが、前立腺内にある癌細胞、更には、骨盤内のリンパ節に転移している癌細胞は、完全に征圧することが出来ています。 つまり、遠隔転移がなければ、岡本らのこの治療法で、限局性前立腺癌、そして、たとえ、リンパ節転移があっても骨盤内であれば、完全に征圧(やっつける)ことが出来ることを示しています。

滋賀医大岡本氏らの論文;抄録
投稿者:ひげの父さん 投稿日:2017/03/15(水) 01:28:32 No.55
すでに漂流さんが訳されていますが、直訳気味で少し分かりにくいと思うので(失礼)、私の別訳も紹介しておきます。

目的:
高リスク前立腺癌に対する、低線量率ブラキセラピー(LDR)と外部照射(EBRT)および短期ホルモン療法(ADT)の組合せによる高線量放射線療法(生物学的等価線量:BED 220Gy以上)の成績を評価する。

対象と治療法:
2005年から2013年にかけて、高リスクおよび超高リスク前立腺癌患者143名が、LDR+EBRT+ADTの併用によるBED≧220 Gyの放射線量による治療を受けた。
高リスクの因子数は、1つだけが60例(42%)、2つが61例(43%)、3つとも高リスクであったのが22例(15%)であり、これには5人のリンパ節転移を有する疾患も含まれている。
外部照射の範囲は、疾患の広がりに応じて、前立腺および精嚢のみの場合と全骨盤域を含む場合がある。
生化学的再発はフェニックスの定義による。

結果:
6人が生化学的再発を発症し、5年生化学的非再発生存率(BFFS)95.2%が得られたが、生化学的再発(遠隔転移)を認められた6人の患者は、全て骨転移による臨床的再発を有しているため、5年臨床的非再発率(FFCF)は93.0%となる。
リンパ節転移のある症例については、いずれも生化学的再発には到らなかった。
死亡4名には前立腺癌特異的死亡も含まれており、疾患特異的生存率(CSS)は97.2%、全生存率(OS)は95.5%であった。

結論:
生物学的等価線量(BED)と生化学的非再発生存率(BFFS)との関係立証にはさらなる検証が必要だが、低線量率ブラキセラピー(LDR)と外部照射(EBRT)の併用による高線量(BED≧220Gy)放射線療法は、高リスクおよび超高リスク前立腺がんを対象とする5年生化学的非再発生存率(BFFS)において、優れた結果を示すことができた。
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