ブログでVMATという記事を書き、東大、筑波大の博士論文でVMATを使用した治療成績を記述した東京大学 山本健太郎氏の論文の概要を紹介しました。その論文は以下の表題です。
・ コーンビームCTによる画像誘導放射線治療を併用した前立腺癌に対する強度変調回転照射の検討
論文は日本語で書かれているので、特に説明することはそうないかと思いますが、印象に残ったことをもう少し詳しくみて、以下に記述します。
治療装置に関しては、次のように書かれています。
東京大学医学部附属病院(以下当院と略す)では2007年にElekta社のSynergy
という治療装置を世界で先駆けて導入し、臨床研究を開始した[24]。
さらに前立腺の移動に関しては論文[27]の図を参照し、以下のように書かれています。
毎回の治療時の前立腺の移動量は、左右方向では2mm、前後・頭尾側方向では概ね
4mm以内に収まっていることが確認できた。
動く前立腺で前立腺の移動に関して調べたことを書きました。この論文では以下のように書かれています。
Shimizuらは、前立腺内に埋め込まれた金マーカーの治療時の移動を透視画像で
解析し、治療開始後2分以内であれば前立腺の移動量は前後、左右、上下ともに
2mm以内に収まっていたが、それ以上経過すると大きく変位することを報告して
いる[29]。
論文は2008年8月から2013年3月までにVMATで治療し、1年以上経過観察を実施した一連の前立腺がん患者287名が対象です。1回線量2 Gyで週5回、計38回 76 Gy での治療です。
患者の状況は以下のとおり。
年齢中央値71 (範囲, 48-84)
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