久々にGoogle scholarで2015年以降の期間指定をし、論文、Therapeutic outcomes of neoadjuvant and concurrent androgen-deprivation therapy and intensity-modulated radiation therapy with gold marker implantation for intermediate-risk and high-risk prostate cancer.を見出しました。筆頭著者は小林先生であり、千葉県がんセンターに所属しています。
論文の表題にもあるように、前立腺内に金マーカを埋め込んでのIMRT治療成績の報告です。2001年から2010年までのNCCNリスク分類での中間リスク、高リスク、超高リスクの325人の患者が対象です。
5年PSA非再発率は以下のとおり
・中間リスク 95.9%
・高リスク 87.2%
・超高リスク 73.1%
超高リスク(T3b~T4)に対しての5年PSA非再発率が73.1%というのはいい値だと思われます。
IMRT(強度変調放射線治療)/千葉県がんセンターには「2000年9月からこの治療を開始し、2009年11月までに前立腺癌450例に施行してきた」とのことで、この患者に対してのPSA非再発率は次のように書かれています。
「5年PSA無再発生存率でみますとLow,Intermediate,High Risk groupでそれぞれ93.3%,98%,90%であり、非常に良好な治療成績となっております。」
病院の患者向けウエブサイトの値と論文の値が微妙に違うのは、対象の年度、論文には低リスクの患者が含まれていないこともあるからだと思います。
サイトは患者さんに分かりやすく理解してもらうという第一の目的がありますから低リスクも含めた値で公表していると思われます。