beat0217 さんの投稿、全摘出後の再発可能性の以下の投稿をよみ、しらべたことを書きます。
「3+5、というように、差が「2」というのは聞いたことがありません。
どなたか、このようなケースをご体験された方、または、このような場合の再発率などのデータをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教示願います。」
思いおこしたのはサイトに代わりとなる悪性度分類で紹介したThe Johns Hopkins Medical InstitutionsのJonathan I Epstein 氏を筆頭著者とする論文、Eur Urol. 2016 Mar;69(3):428-35.、full textです。
この論文についてはブログの記事、ISUP grade group 米国ではGSと併記でも参照しています。
ブログ記事では『前立腺癌診療ガイドライン 2016年版』より引用し、ISUP が提唱したGleason分類に代わり新しいグレードグループ分類のエビデンスとなる論文であることを示しました。
Grade GroupとGSの対応は以下のとおりです。
GS
≦6 Grade group 1
3+4 Grade group 2
4+3 Grade group 3
8 Grade group 4
9-10 Grade group 5
Epstein論文においてGrade group 4を細分化しない理由については次のように書かれています。
「グリソンスコア8のうち、大半が4+4であったため、頻度だけで3+5、5+3に分けることは有用ではないと考えた。」
Fig. 1のPSA非再発率のグラフをみますときれいに層別化されています。
Grade group 4で5年PSA非再発率は50%ほどでこの程度ならば救済放射線治療を考慮すれば許容できる値かなと思いました。
Grade group 5で手術を選択するのはある程度の覚悟がないとできないのではないかという率直な感想です。
2005年から2014年の以下の5病院の連続する20845人の患者を対象とした論文であり、それなりの信頼性はあるかと思います。
Cleveland Clinic (Cleveland, OH, USA)
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……投稿後追記
full textの本文にはこう書かれています。
「RPのグリソンスコア6、3+4、4+3、8、9-10の5年間のBCR無増悪確率は、それぞれ96%(95%信頼区間[CI]、95-96)、88%(95% CI、85-89)、63%(95% CI、61-65)、48%(95% CI、44-52)、26%(95% CI、23-30)であった。」
グラフをみての50%というのはだいたい合っていました。