2021年 8月22日の投稿で私はこう書きました。
藤野邦夫『前立腺ガン 最善医療のすすめ』にもこの内藤班の研究を引用していたことを記憶しています。今、手元に本がないので確かめることはできませんが。
図書館から改めて借り出して確認しました。
P.222より「手術という選択」と表題で手術の説明が書かれていて、P.224に以下の記述がありました。
手術後に前立腺ガンが再発するのは、(1)被膜外浸潤や精のう浸潤があった、(2)ガンに切りこんで断端陽性になった、(3)遠隔転移があった、ことによっている。その結果、低リスクといわれて手術を受けても25%程度の再発がおこり、高リスク群ではときに50~70%の高い再発率に達する。
被膜外浸潤や断端陽性がわかっても、かならずしも再発するとはいえないが、厚生省研究班は早期の前立腺ガンで手術した患者の25%に再発があると発表している。
再発の原因としてあげられている3つに医学的な根拠があるのか私はしらない。特に「ガンに切りこんで」という表現は何を意味しているのかぴんとこない。
先に私がリンクした九州大学のページにはこう書かれています。
血中の前立腺特異抗原(PSA) が一定の値を超え、がん細胞の増殖を示す「生化学的再発」と診断された人が302人(25.3%)いた。再発までの期間は一年以内の例が多く、4年以上たった例もあった。
藤野さんが書いている「厚生省研究班」は内藤班で間違いないだろう。
藤野さんの著書に書かれている記述が初心者のいわれる「高い再発率の話を出したりして不安をあおる」という筆致といえるかと思います。